思い出すちょっと怖いお話

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どんより雲

私の住んでいるタイは雨季とはいえ、どんよりした空色で南国らしいスコールも最近はあまりない。14年前のインドネシアの地震の津波でタイも大被害を受けたが、あれで地軸がずれたと言われているが、それで天候にもやっぱろ影響しているようだ。

どんより雲と言うと、以前私が住んでいたロンドンの空も、ウインブルドンでテニスの

試合が開催される夏のほんの2週間くらいを除き、一年中ほとんど空はこんなどんよりしていたことを思い出します。

 

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古いアパート

当時私は英語学校へ通う貧乏学生で、現地で知り合った友人たちも私同様家賃の安いアパートに住んでいました。

ロンドンは町並みがきれいだけれど、築100年以上は優に経つ建物が多く私の友人は裕福な人が多く住む、高級住宅街のアールスコートでは珍しい安アパートの一室を借りていました。

通っていた学校にも近かったので、学校帰りに誘われて彼女のアパートでお茶をすることになりました。

他の友人にも声をかけたのですが、みんなバイトがあるのでその日は私一人おじゃますることになりました。

アパートの外見は、メリーポピンズの映画に出てくるようなこぎれいなものででしたが、内装の白塗りで清潔感はあるのですが、階段は一段一段手前に少し傾いていて、ちょっと油断すると踏み外しそうな古さは否めない建物でした。

でも、この閑静な住宅街に住めるなら。。。こんな掘り出しもののアパートに住んでいる彼女がちょっと羨ましかったりしていました。

 

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なに、何???

スペイン人の彼女は気さくな話し好きな子で、私が部屋に入る「何かあっても驚かないでね。」と言うとお菓子を買いに部屋から出て行きました。

私は「何かあっても。。。???」と思ったものの、部屋の中は女の子らしく飾られ、

年代もののタンスとソファーもそれなりに味があって居心地が良く、彼女がかけてくれた音楽を聴きながら、腰の沈むソファーに腰掛け、ゆったりと彼女が戻ってくるのを待っていました。。。。

少し経った時、風もないのに窓際に置いたあった写真立てがパタッと倒れ、「あれ?」

と思っていたら、今度は閉めてあった冷蔵庫の扉がパッと開いたのです。

「うゎ!!」

目が点を言うのはあのことでしょう。

私は開いた扉に目が集中し、身動きとれずにいると、なんとなく部屋の中に誰かがいる気配。

今思い出しても鳥肌が立つくらいびっくりしているところに彼女が戻って来ました。

冷蔵庫が空いているのをみて彼女の言った一言。「大丈夫よ。何もしないから」

 

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同居人

訳がわからないく「何?どういうこと?」と聞き返す私に、彼女は「多分、子供だと思う。悪いことはしないし、ちょっと悪戯するだけ。新しい人が来たりすると遊んでもらいたいらしい。」と言ったのです。

私は、「こんなところに良く一人で住めるね?」と言うと、彼女は「ううん。一人じゃない。子供の同居人が居るよ。もう慣れたし大丈夫。」なんと肝の据わったことか。

確かにその後、見えない子供は悪さはせず、私はお茶をご馳走になってそそくさと家に帰ったのですが、のちにホームステイした家のイギリス人のご主人にこの話をしたら、「ロンドンは古い街で幽霊の話は珍しくないけれど、君が遭遇したのは悪戯するだけで良かったね。もっと恐ろしい幽霊もたくさんいるよ。」と言われました。

今思うと私の友人だった彼女もちょっと変??。。だったのかも???

くわばら、クワバラ。